「いのちの電話とは」

1. はじまり

1953年、ロンドンの英国国教会牧師チャド・バラーが、ロンドンタイムスに自分の名前と電話番号とともに「あなたのいのちを絶つ前に、私に電話ください」という1行の広告を出しました。これが「サマリタンズ(善き隣人)」の始まりです。
日本での「いのちの電話」の活動は、1971年東京で始まりました。ドイツ人宣教師ルツ・ヘットカンプらが中心となって、主に困窮する女性のため、電話が相談する身近なツールとして有効との考えからでした。

2. 使命

いのちの電話の使命は、「自殺予防」です。2003年に自殺者数は34,427人のピークでした。その後減少傾向は続き、2019年は20,169人になりました。
しかしコロナ禍の影響もあり、2020年は、21,081人と11年ぶりに増加しました。女性と若者の増加が顕著となりました。その後は残念ながら高止まりの状態が続いています。自殺予防を使命とする「いのちの電話」の役割・使命は、重要なものになっています。

3. つながり

1977年、日本いのちの電話連盟が発足しました。1971年に東京で始まった活動は全国に拡大して、2022年時点では、全国50センターが活動しています。またフリーダイヤル、ナビダイヤル、インターネット相談など、活動の広がりと全国の協力体制が整えられました。世界では100を超える国と地域で、名称は異なりますが「いのちの電話」の活動が行われています。

4.「名古屋いのちの電話」の活動

1985年7月1日、「名古屋いのちの電話」が、全国で19番目のいのちの電話とし
て発足しました。1990年には「社会福祉法人 愛知いのちの電話協会」として認可を受け、1999年5月1日から、365日・24時間受信体制をとっています。またインターネット相談も、2015年3月から始まりました。相談員は無償のボランティアで、匿名性・守秘義務・「傾聴・受容・共感」を大切にしています。

5. いのちの電話の基本

・24時間、365日の体制で相談活動(いつでも・だれでも・どこからでも)
・相談員は無償のボランティアです。
・相談員は自ら研修し、相談員としての資質を高めます。
・かけ手である利用者と相談員は、ともに匿名を貫き、相談の秘密は必ず守ります。
・かけてである利用者と相談員は、ともに宗教・思想・信条を尊重します。